エッセイ:サービス化する経済でメーカーの存在意義を問い正す(6)
おわりに
気が付けば,我が国の製造業の経済規模はGDP比で2割程度にまで落ちた.今後の製造業に,護送船団方式は通用しない.神風も吹かない.そんなものを信じていれば,一緒になって沈没するだけである.
メーカーたちは,一刻も早くサービス化する経済への対応を身に付けなければならない.私は何も,技術者に対しおもてなし研修を義務付けよと言っているのではない.今のモノづくり起点の仕組みを改め,自分たちの製品が何の価値を提供しているかという視点からビジネスを組み立て直すべきだと言っているのである.サービスの語源であるserveは,「奉仕する」の意である.商売の基本に立ち還り,あなたの会社が作る製品が顧客に奉仕する真の価値(機能ではなく)は何であったかを問い正すことから,サービス化は始まるのである.前回へ戻る/最初から読む
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犬塚篤「サービス化する経済でメーカーの存在意義を問い正す」『研究開発リーダー』2022年10月号, pp.5-8.